世界的なシーンに於いてブラジル映画が国境を越えてますます積極的に参加し、貢献している。「シティ・オブ・ゴッド(Cidade de Deus)」と「セントラル・ステーション(Central do Brasil)」のヒットにより、各々の監督は国際的な大型作品を制作するための切符を手に入れたと言える。2005年にフェルナンド・メイレレス(Fernando Meirelles)監督が英国の作品「The Constant Gardener」を発表したが、これはジョン・ル・カレ(John Le Carre)の原作に基づき、ラルフ・フィーンズ(Ralph Fiennes)のような有名な俳優が出演している。ヴァウテル・サレス(Walter Salles)は中南米映画「オートバイ日記」(Diarios de Motocicleta)(2004年)を監督した後に、ダーク・ウォーター(Dark Water)(2005年)によってホラー物に目を向けた。これは日本の中田秀夫監督の「ほの暗い水の底から」(2002年)のアメリカ版リメーク作品である。
この様に、世界を一周する途中でブラジル映画が日本映画と出会ったものである。これは世界のメディアによって画期的な出来事として報じられた。しかしブラジル人にとっては、両国間の一世紀に及ぶ文化的な交流の帰結として、ごく当然な出来事と受け止められている。映画の分野では、60年代から70年代のブラジルの映画人にとって日本の美学は決定的な影響を及ぼした。特にそのころ黄金期に達した「シネマノーヴォ(Cinema Novo)」は、当時サンパウロ市で上映されていた日本映画の数々の傑作に、欧米に先駆けて接する機会に恵まれていた。従って、この書物は古い歴史の新しい一章を開くものである。豊穣なブラジル映画の一面を日本の読者の皆様に紹介し、反響を期待するものである。